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"my life is my own choices"

家と生活のにおい

祖母。


ひとり暮らしだった祖母は長らく入院しています。家主がいない家も当然雪が積もり、屋根の雪下ろしをする必要が出てきます。そこで雪下ろしに親父と行ってきました。
この地域には一斉雪下ろしというものがあります。昔ながらの住宅街で道も細く、長屋もたくさんあるような所では道が機能しなくなるため勝手に屋根の雪は下ろせません。かといって屋根の雪を下ろさない訳にもいかない。という事で市町村が日時を決めて対象の家が一斉に屋根の雪を下ろし、自治体が排雪もその日にやる、というのが一斉雪下ろし。ローカルな新聞は一面で一斉雪下ろしの計画を報じます。主要な道路も一部完全に通行止めです。
一斉雪下ろしはみんな屋根に上がって雪を下ろし、屋根の上から街をいつもと違う視線で眺め、お隣さんとも色々確認しながら行います。手伝いである自分にとってはものすごい非日常がそこには待っているので嫌いじゃありません。きっと対象の家屋の方はそれどころじゃないでしょうけど・・・冬のイベントだと言わんばかりに気合入れる人もいらっしゃいますけど・・・。昔ながらの家なので当然お年寄りだけの住まいとかも多いです。そういう家は建設業に雪下ろしを依頼したりします。以上、一斉雪下ろし の説明も兼ねて何故か長々と書きました。


おばあちゃんの家。長らく入院していて、お見舞いに時折行って顔は見ていましたが、おばあちゃんの家に行くのはきっと入院後初めてでした。おばあちゃんの家っておばあちゃんの家のにおいがあります。家そのもののにおいと生活のにおいが入り混じったような・・・似たるはあれど唯一無二の。その唯一無二のにおいが、今日行ってみたら家そのもののにおいだけになっていました。どこかであのにおいを楽しみにしていたのか、少し残念に思いその後悲しくなりました。玄関入って金魚鉢と植木鉢と・・・ちょっと前はインコと・・・それらが混じったにおいでは無かったです。不思議なもので何かが変わると変わる前を思い出しますね、恥ずかしい話ですがなんだか久々に泣きたくなりました、おばあちゃんは病院で一番頑張ってるのに泣いてる場合ではないですけどふと。
結婚して初めての年末に奥さんとおばあちゃんの家にお邪魔して 大掃除の手伝いして綺麗にした窓もそんなに汚れていなかったり。小さい頃にいっぱい遊んだあの家の屋根に上って雪を下ろしてみると案外屋根が小さいと感じたり。ひどく感傷的になってしまった雪下ろしでした。またあのにおいが戻るといいな、またお馴染みの出前ラーメン食べたいな。普通のラーメンがいいって言っても、色々孫に食べさせたくて五目ラーメンにさせられます。そして注文の出前で勝手に大盛りにしちゃうおばあちゃん・・・こんなやり取りをまたしたいな。楽しみだな。